相手からイエスを引き出す秘訣
相手からイエスを引き出す秘訣
相手のモチベーションを上げるには、正しいことを論理的に客観的に伝えるだけではNGです。
相手にはバイアスがかかっていることを理解しながら伝えていくことも重要だと言われています。
バイアスって?(偏り・偏見・先入観)
よく、論理的思考力・客観性が大事だと言われています。
しかし人間の実際の行動は案外論理的ではありません。なぜか?
その答えがバイアスです。
事実を目の前にして私たちはその事実をすんなり受け入れるわけではなく、心理バイアスをかけてモノ見てしまうからです。
例えば
同じカップ麺でも、「定価120円が100円に」と書かれたA店、
ただ「100円」と書かれたB店、この場合A店の方が得だと感じてしまうのではないでしょうか。
これがバイアスに影響されているということです。
同じことを言うにしても表現を変えたら印象が違います!!
相手に「イエス」と言わせる言い回しとは?
言い回しの違いで…
◆床屋の主人が従業員に
ケース1
主人 「この給料の2割を毎月貯金しなさい」と言った。
従業員 「嫌です。」
ケース2
主人 この給料の「8割で生活」してみなさい。
従業員「分かりました。」
◆ある社内で
ケース1
不良品発生率が10%から5%になった。
ケース2
不良品発生率が50%減になった
言ってることは同じことです。
物事のどの部分を基準とするか、数字データの見せ方を変えることで、その物事に対する判断を大きく変えてしまいます。
同じことを言っていても言い方で相手のとらえ方や印象が変わることがあるので、伝え方を意識することの大切さがこの例から感じられるかと思います。
人は他の人の行動に引きずられやすい、他人の行動を指針とする
とあるホテルで洗剤による汚染削減、エネルギーの節約等で旅行客にタオルを繰り返し使うよう求めています。
お願い方法は客室のバスルームにお願いカードを置く形をとっていっています。
◆どんなカードが効果的?◆
①タオルの再利用が環境保護への貢献に繋がるといった内容のカード。
②ホテルに泊まった人の大多数が再利用に協力してくれたことを示すカード
③過去にその部屋に泊まった人の大多数が再利用に協力してくれたことを示すカード。
他人の行動を伝える事は、人を説得するのに効果的!
では誰の行動を伝える事が1番効果的か?
自分と似た状況の人を真似るのが1番無難です。(無意識にそのような選択をしているらしい)
→説得したい相手の状況に近い人のことを話すと説得力が増します。
◆授業をさぼる生徒を教師が説得する場合◆
→教室の最前列に座るようなタイプの生徒ではなく
もっと当人に似たタイプの生徒から出席することのメリットを話してもらうべきです。
◆地元の美容室チェーンの経営者にソフトウェアを売り込みたい時◆
→大会社の社長が絶賛している、よりも
他の美容経営者がそのソフトウェアを重宝してるという情報の方が説得力が増します。
説得したい相手の状況に近い人
のことを話すと説得力が更に増します!!
他人の行動を伝えることの思わぬ落とし穴
◆アリゾナ州にある化石の森国立公園での出来事◆
化石木のかけらを持ち出す来訪者があまりにも多いことが問題に。
そこで注意喚起の看板を設置しました。
①貴重な遺産が毎日破壊されています。一人ひとりが取っていく化石木はわずかでも、
それは1年間で14トンにもなるのです。
②公園から化石木を持ち出すことはやめてください。化石の森の環境を守るためです。
③看板設置をしない
①~③どれが最も化石木の持ち出しを防げたでしょうか?
①は③の看板を設置しなかったときより3倍も盗まれた数が多かったのです。
→ネガティブな他人の行動は伝えない方が良いこともあります。
…他にも悪いことをやってる人が居る事実を伝えてしまっている
好ましい行動をしている人に焦点を当てると良い。
例えば…
公園では14トンもの化石木が持ち出されているが、
ルールを守り自然環境の保護に努めた大多数の人たちと比べれば盗んだ人は少数に過ぎません。
お願い・説得の仕方はさまざまですが、少しでも相手から「イエス」を引き出すための
行動を考えていきましょう!!